不動産投資は、節税効果を最大化するための有効な手段の一つです。
特に都心部のワンルームマンションへの投資は、安定した収益を期待しつつ、税金の軽減効果を享受することができます。
本記事では、ワンルームマンション投資の節税シミュレーションと実践方法をについて解説していきます。
こうのすけ🗼
マンション投資のルール
99%の不動産会社が言わない不動産投資の知識をお伝えしています。
不動産業13年、2社目の大手新築ワンルームマンションを販売する不動産会社で10年勤続後、退職。
物件の粗利(販売価格-仕入価格)が400万~600万の事実を知り、「失敗しないための不動産投資」を学ぶために100社以上の不動産会社の営業マン・社長と交流。
99%の不動産会社が利益主義者という現実を叩きつけられる。
「数字の見える化」「割安物件のシミュレーション」「圧倒的な不動産知識」をテーマにX(旧:Twitter)、公式LINE、不動産投資コミュニティ、メルマガで配信、総フォロワー3,000人超え
宅地建物取引士、FP、相続診断士の資格を保有、物件調査5,000件以上を行う。
相談料などは頂いておりません。節税効果の基本
不動産投資による節税効果は、主に以下の要素によって決まります。
減価償却費
建物の取得価格を耐用年数にわたって分割して費用計上すること。
損益通算
不動産所得の赤字を他の所得と相殺すること。
相続税・贈与税の軽減
不動産の評価額を低く抑えることによって相続税や贈与税を軽減すること。
物件条件の提示
物件によって節税シミュレーションは異なってきます。
下記情報は、物件詳細になります。
実際の物件事例を用いて、シミュレーションを作成していきます。
物件:早稲田駅徒歩5分
築年数:18年
物件価格: 2470万円
借入額: 2550万円
家賃: 90,000円
管理費: 11,000円
ローン年数: 35年
金利: 1.47%
固定資産税: 60,000円
不動産取得税: 150,000円
雑費: 200,000円
この物件詳細をもとに「物件による節税効果の違い」「年収による節税効果の違い」を解説してきます。
建物評価の違いによる節税効果
不動産会社によって、建物評価の算出方法が異なります。
評価の出し方によっては、節税できなくなることもありますし、計算方法によっては納税になる可能性もあります。
ポイントがありますので、計算して「自分自身の提案を受けている物件」や「年収によっての計算」を確認してみてください。
建物評価がわかる方法
建物評価を確認する方法は、消費税から逆算することになります。
消費税から建物価格がわかる方法
1.消費税額の確認
● まず、建物にかかる消費税額を確認します。例えば、消費税が74.1万円とします。
2.消費税率の確認
● 現在の消費税率は10%です(消費税率7.8%、地方消費税率2.2%)。
3.建物価格の計算
● 消費税額を消費税率で割ることで、建物の税抜価格を求めます。
● 計算式は以下の通りです。
具体例として、消費税額が74.1万円の場合:
741,000 ÷ 0.10 = 7,410,000
建物価格:741万円
土地価格の算出方法
建物価格を算出すると、土地価格を計上することができます。
物件価格2,470万円で、そのうち消費税が74.1万円と記載されている場合、物件の販売価格から建物価格を引くことで土地価格を求めることができます。
・物件の販売価格:2,470万円
・建物価格:741万円
・土地価格の計算
24,700,000 – 7,410,000 = 17,290,000
土地価格:17,290,000円
土地価格を算出して、建物比率を計算していきます。
建物比率をがわかる方法
建物比率を計算するためには、建物価格を物件の販売価格で割り、その結果を百分率で表します。
・物件の販売価格:2,470万円
・建物価格:741万円
・建物比率の計算
7,410,000 ÷ 24,700,000 ×100 = 30%
建物比率:30%
このように建物比率していきます。
建物価格から計算する減価償却費とは?
減価償却は、建物や設備の価値が時間とともに減ることを計算して、毎年少しずつ経費として計上することです。
これにより、払う税金を少なくすることができます。
建物比率が30%の場合
東京都心部は土地値が高いことがあり、おおよそ建物比率を20%~30%で計算されることがあります。
「土地値が高い=資産価値がある」ではありませんので、ご注意ください。
建物評価額: 741万円
この建物価格を基に、減価償却費を計算します。
建物の耐用年数は47年になりますので、そこから築年数を引いた数字が確定申告で計算を行う耐用年数になります。
建物比率が30%の場合の年間減価償却費の計算方法
耐用年数: 47年 – 築年数: 18年 = 残耐用年数: 29年
計算方法: 建物評価額 ÷ 残耐用年数 = 年間減価償却費
年間減価償却費の計算式: 7,410,000 ÷ 29 = 255,517
年間減価償却費: 25.55万円
建物比率が55%の場合
不動産会社によっては、建物評価を55%にするケースもあり、この比率は法的に問題なく利用できる方法があります。
具体的な内容は、体験セッションで聞いてみてください。
また、建物評価を「躯体」と「設備」に分けて償却することができます。
建物比率が55%の場合の年間減価償却費の計算方法
建物比率: 55% = 1,385万円
躯体: 耐用年数47年 – 築年数18年 = 残耐用年数29年
設備: 耐用年数15年 – 築年数18年 = × → 残耐用年数3年
※設備は、築年数が15年以上になる場合は、3年耐用年数を延長することができます
躯体:設備の建物評価の割合は70%:30%として計算されます。
躯体: 1,385万 × 70% = 969.5万
設備: 1,385万 × 30% = 415.5万
建物評価額 ÷ 残耐用年数 = 年間減価償却費
年間減価償却費の計算式
躯体: 9,695,000 ÷ 29 = 334,310
設備: 4,155,000 ÷ 3 = 1,385,000
年間減価償却費: 1,719,310円
このように計算すると、大きな差額が生まれます。
年間減価償却費の違いが、
建物比率 30% 25.55万円
建物比率 55% 171.93万円
146.38万円もの差がうまれきます。
また、建物比率はローン返済額の利息においても、建物部分でも利用されますので、ご確認いただければと思います。
現状の税金はいくら?
年収層によっても節税効果は大きく異なりますが、現在の税金はご存じでしょうか?
現状の税金から把握してください。
課税所得の計算
まず、基礎控除と社会保険料控除を考慮します。
基礎控除は48万円、社会保険料控除は年収の約15%と仮定します。
年収800万円の場合
- 基礎控除: 48万円
- 社会保険料控除: 800万円 × 15% = 120万円
- 課税所得: 800万円 – 48万円 – 120万円 = 632万円
年収1200万円の場合
- 基礎控除: 48万円
- 社会保険料控除: 1200万円 × 15% = 180万円
- 課税所得: 1200万円 – 48万円 – 180万円 = 972万円
年収2000万円の場合
- 基礎控除: 48万円
- 社会保険料控除: 2000万円 × 15% = 300万円
- 課税所得: 2000万円 – 48万円 – 300万円 = 1652万円
現状の税金
課税所得に基づいて現状の税金を計算します。
年収800万円の場合
- 所得税: 632万円 × 20% – 427,500円 = 836,500円
- 住民税: 632万円 × 10% = 632,000円
- 合計税金: 836,500円 + 632,000円 = 1,468,500円
年収1200万円の場合
- 所得税: 972万円 × 33% – 1,536,000円 = 1,656,000円
- 住民税: 972万円 × 10% = 972,000円
- 合計税金: 1,656,000円 + 972,000円 = 2,628,000円
年収2000万円の場合
- 所得税: 1652万円 × 40% – 2,796,000円 = 3,812,000円
- 住民税: 1652万円 × 10% = 1,652,000円
- 合計税金: 3,812,000円 + 1,652,000円 = 5,464,000円
年収800万→146.8万
年収1200万→262.8万
年収2000万→546.4万
年収別の節税シミュレーション
年収によって税金を多く払っているため、「節税対策が必要だなぁ」と思う方は少なからずいらっしゃると思います。
ただし、不動産投資で節税ができないパターンもあるので気を付けてください。
年収800万円の場合
建物比率 | 節税前 | 節税後 | 節税効果 |
---|---|---|---|
30% | 146.8万円 | 156.4万円 | 9.6万円(納税) |
55% | 146.8万円 | 108.1万円 | ▲38.7万円(減税) |
年収1,200万円の場合
建物比率 | 節税前 | 節税後 | 節税効果 |
---|---|---|---|
30% | 262.8万円 | 256.8万円 | ▲6万円(減税) |
55% | 262.8万円 | 178.6万円 | ▲84.2万円(減税) |
年収2,000万円の場合
建物比率 | 節税前 | 節税後 | 節税効果 |
---|---|---|---|
30% | 546.4万円 | 568.2万円 | 21.8万円(納税) |
55% | 546.4万円 | 353.2万円 | ▲193.2万円(減税) |
「え?建物比率とかって説明聞いていないよ?」ということはありませんか?
しっかり数字を確認しないと、納税になる可能性もありますので気を付けてください。
まとめ
都心部のワンルームマンションへの投資は、節税効果を最大化するための有力な手段です。
ただし、建物評価が高いほど減価償却費が大きくなり、節税効果も高まりますが、建物比率によって節税できない可能性もあります。
専門家のアドバイスを受けながら、慎重に計画を立てることが求められます。
Excelなどで数値化した計算も、計算式をあてはめないと「正しいのか?」と、疑う必要もあります。
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さいごに
私は、X(旧:Twitter)を通じて100社以上の不動産会社と出会ったり、不動産投資家と出会いがありました。
そのなかで「失敗する不動産投資」と「成功する不動産投資」を学び、つねに最新情報をアップデートしております。
買ってはいけない不動産投資は、「サブリース」と「割高物件」になります。
また、必ず最悪なパターンを想定してください。
後悔しないためにやるべきことは、具体的に計算をすることです。
不動産投資をExcelで計算するフォーマットがあります。
Excelでシミュレーションを作成すると、数字は明快。
物件の数字でスグに出口戦略を作ることができます。
✔ 設備工事や原状回復費用
✔ 想定売却価格の根拠
✔ 修繕積立金の値上
✔ 家賃の値下げ
✔ 固定資産税
✔ ローン残高
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しっかりチェックしていきましょう。
・Excelのフォーマットが欲しい人
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は、「正しい知識」や「正しい情報」を取得していきましょう。